白地図 -僕のまち歩き-
子供のころ、神社の木の洞や古い家のドアの向こうに不思議な街や森への入り口があるような気がして、ワクワクしたことはないでしょうか。
あるボタンを押すことで未来へ行ってしまったり、拾ったブローチや腕時計を身につけると魔法使いやヒーローに変身できると思ったり。あるいは道端の木や石や標識に名前をつけてそれらの持つ物語を想像したり。
大人になるうちにそうした発見や創造の時間は少なくなって、自分が深く繋がっていたはずのすぐそこにある別の世界に、気がつかなくなっていく。そんな経験をした人も、少なくないかもしれません。
でも本当は、子供のときも大人になってからも、それぞれが自分で好きに書きこめる街の地図を内側に持っていて、その世界と行き来できるはずなのです。
これは、島に引っ越して来たある人が街を歩き、地図に書きこんでいった大崎上島のひとつの姿です。
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街をぶらぶら歩いているとき、海辺でひとり波の音を聞いているとき、目の前に真っ白な地図が現れたら、今度はあなたが書き込む番です。そしてみんなが書き込んだことを持ち寄って、大きな地図を木のように育てていったら…
白地図の旅は、まだまだ終わりそうにありません。
観光案内所の1階OKAPAMでは、「育てる白地図展」を開催中です。
壁一面に広がる白地図の世界に、みんなが自分の好きな場所や景色、街を楽しむヒントを書き込んでいく、時間とともに少しずつ育っていく展示です。島を歩く前に、旅のヒントを探してみてもよいかもしれません。