半径500mの旅 盛谷を歩く
観光案内所から、半径500メートルの旅。
白水郵便局から道を挟んで向こう側、盛谷(さかりだに)の街を歩きました。
こちらのお酒の看板から細い路地を通って中の道へ。
商店街だった中道から海に向かって人が1人通れるくらいの細い路地が何本も伸びています。
これは海や船が生活の中心だった港町あるあるかもしれません。
車が通れるものの細くてカーブもある中の道には、あちこちに個人で設置したと思われる小さなカーブミラーが。
突如現れるY字の分かれ道の真ん中に、おじぞうさん。ここは昔「往還(おうかん)」と呼ばれていたそうです。
面白い眼鏡屋さんの看板。キョロキョロと通りを見渡しているように見えます。
分かれ道の右側へ。塀の土壁に刻まれた相合傘。大人だと少し目線を下げないと気がつかずに通り過ぎてしまいそうな高さです。
見上げるとお城のような石垣。
道端の石垣の隙間から、ネギが生えているのを見つけました!
しかも収穫されている痕跡あり。偶然通りかかった方に伺うと、「この辺では有名なネギで毎年生えてくる」のだということ。
ご近所さんに見守られながらたまには食卓を彩ることもある、愛されネギなのでした。
坂の上に登る道に出ました。くねくねとした道は、川が流れていた跡ではないかと思われます。
反対側を向いてみます。左側の幅の広いコンクリートの部分が以前は海まで流れる川で、今は暗渠になっていると推測。
あとで調べると、こんな記事を見つけました。
(引用元:『広報ひがしの No,109』 昭和56年8月 東野町役場 発行)
中道側から撮った写真を、川を暗渠にする前と後で比べた写真のようです。
よく見ると他の路地にも細い水路があって、小さな石の橋がかかっているのを見つけました。
盛谷は水路がはりめぐらされた水の街だったんじゃないかなと、想像が膨らみます。
ここにも小さなカーブミラー。カーブミラー図鑑が作れそう。
山手の坂を登っていきます。振り向くと海が見えてきます。
坂の上の小さなお堂に祀られた、つるんとした石。きれいに花も供えられています。
西来寺へ。花曇りの日の夕方でした。
西来寺の広場。以前はここで地区の盆踊りが行われていたそうです。
港に朝一番のフェリーが見えるまで、夜通し踊り明かしたんだとか。
ちょうど、港にフェリーが着くところが見えました。
西来寺の奥の道から路地を下っていきます。今日の旅はここまで。
白水港・観光案内所から歩いて行ける白水と盛谷のマップをつくりました。
観光案内所で配布しています。今の暮らしと昔が交差する街を旅して、出会った景色や出来事を書き加えてみてください。
そしてそれがどんな旅だったか、おはなしを聞かせていただけたら嬉しいです。
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写真 Sorioka Kazuhiro
文・メモ てるいひろえ