石鎚神社のしめ縄づくり
朝、納屋に集合。町内の田んぼで育てられたきれいでまっすぐな稲藁が積まれています。
集まったのは、木江地区の方12〜3人。3〜4人ずつ、3つのグループに分かれて、しめ縄の元になる3本の藁の束を作っていきます。
時々お互いの束を見ては、「ちょっとこまいかのう」「向こうが大きいんじゃろう」と言いながら、太さが同じようになるように藁の量を調整していきます。
3本の束が完成!並べてみると龍のような生き物のよう。ジュースやお菓子が出てきてちょっと休憩です。
作業再開。
3本の藁の束を柱にしっかりと固定。男性8人がかりで束を持ちあげ、上を通し下をくぐらせ、ねじってしめ縄にしていきます。
大迫力の作業。
よく見ていると、「それ、ねじり方が逆じゃあ」「ここもっときつく縛らんと!!」とキビキビ指導する男性が。手元を動かしながらも、全体に目を光らせています。
聞けば、その方がいちばんのベテランとのこと。
20年程前から、少しずつ下の世代へ作り方を受け継ぎながら、毎年作り続けているそうです。
藁の飾りをつけて、しめ縄が完成しました!
しめ縄をトラックの荷台に乗せて、神峰山へ出発。ベテランの皆さん細い山道を車でスイスイと登っていきます。
第一展望台に車を止めて、しめ縄をかついで石鎚神社へ。
桜と山ツツジが綺麗に咲いています。
しめ縄を神社に取り付けていきます。「今、何回巻いた?」「今2本目じゃあ!」という声が響きます。
しめ縄をくくりつける時に巻く細い縄の回数も、決まっているようです。左右のバランスをみながらしっかりと付けていきます。
かけ替え完了!みんなで記念撮影。
神社の中の壁には、毎年この日に撮影されたしめ縄づくりの記念写真が並んでいます。
本来であれば毎年4月の第二日曜日に春季例大祭が開催されるので、それに合わせて4月の頭にしめ縄のかけ替えを行うのだそうです。(コロナの影響で、昨年と今年は例大祭は中止)
春季例大祭では、四国の石鎚神社から御神輿がやって来て奉納されるそうです。来年はお祭りも見れますように。
そしてみんなでお花見をしながらお弁当タイムです。
その間にも、県内から訪れた人が登山道を登ってきたり、島の方が家族で歩いてきたり、桜の季節の良いお天気の週末とあって、神社の前の広場はほのぼのとした空気につつまれていました。
古いしめ縄をかついで展望台駐車場まで歩いて下山し、しめ縄かけ替えの1日は無事に終了しました。
こうして作られた新しいしめ縄が1年間、参拝者を迎えます。
文章 てるい ひろえ 写真 Kazuhiro Sorioka
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115の島が見渡せる絶景スポットであり、島の人たちの信仰の対象でもあり、民話や伝承も多く残る神峰山。
そこに関わる人たちのお話や1年を通しての山の移り変わりを、「神峰山のおはなし」としてこれからも継続してお伝えしていきたいと思います。
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